1.   

でっかいクズカゴ

某ツクスレに寄生中のおバカの箱庭です

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

湖畔


湖畔

 ビッグサンダーを出るコネストーガ幌馬車は十時の便が最終だった。
フォート・ブリッシャーに着くまでは十五人以上いた乗客も、御者とドナーの
二人だけとなった。
 ドナーはちょっとした金鉱成金の息子で、フォート・ブリッシャーから
南にあるグリーン湖畔にある父の別荘に向かっていた。彼の父は
一月前に件の別荘地で休養中に倒れ、そのまま息を引き取った。
インディペンデンスから馬車を乗り継ぐこと二十日、別荘を目前にして、
ドナーは父の顔や、三年前に亡くなった母のことについて思いを巡らせていた。
そうしたのも、まだ多感な時期であることもあったが、同車している御者に
注意をむけたくないというのもあった。
 はじめて御者を見た時から、ドナーは胸騒ぎの様なものを感じた。
御者は上流階級の人間から見て、お世辞にも目の保養になるような人間ではない。
しかしドナーは、金持ちの御曹司によくある下男を視界に入れることすら嫌う
ドラ息子というものではない。牧場の豚の革剥きは十歳のころからの彼の仕事だったし、
父に着いて行った炭鉱で疥癬病みの下男と仕事を共にしたこともある。
ただ、御者の顔に、ドナーはただならぬ不愉快な気持ちを禁じ得なかった。
造形的な不具や欠落があるわけではない。とりわけ、御者が口の端を釣り上げて、
軽く歯を見せて笑う時など、砂金の川浚い中に水の中で蛇でも見つけたような、
ぎょっとした気分にさせられた。
 日もとっぷりと暮れ、幌の隙間から星の瞬きが見えたころ、
突然御者が馬を止め、馬車から降りた。毛布にくるまり、浅い眠りに入りかけていた
ドナーは、大きな音に目を覚ました。耳を澄ますとせせらぎが聞こえる。
グリーン川がもう間近にあるに違いない。御者が砂利を踏みしめる音も聞こえてきた。
スポンサーサイト
  1. 2016/02/21(日) 01:59:15|
  2. SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ファイヤークッキング | ホーム | UNDERTALE>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kasumaker.blog93.fc2.com/tb.php/95-3c7d8d19
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

kasumeka

Author:kasumeka
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (15)
おしらせ (7)
ksg (6)
レビュー (16)
雑記 (9)
Flash (1)
漫画 (3)
映画 (3)
音楽 (2)
分類不可 (6)
書籍 (1)
ホビー・TCG (1)
ゲーム (1)
SS (1)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。